"地盤調査の目的の1つに液状化し易い地盤かどうかを調査し対策工事するというものがあります。液状化とは、地震が発生した際に一時的に地面が液体のように流動し、建築物が沈んでしまう現象のことを言います。液状化はどんな場所でも発生するというわけではなく、特定の条件下でのみ発生する可能性が高くなります。特定の条件とは以下の3つになります。
「緩い砂地盤」
地盤の硬さを表すN値が20以下(大きな建築物を建てる際、杭が不要なほど硬い地盤はN値30以上)で土の粒子の大きさが0.03mm~0.5mm(砂糖粒程度)の砂地盤が目安になります。
「地下水の位置」
地表面から10m以内が目安。地下水位が浅ければ浅いほど液状化は起こりやすくなります。ただし戸建て住宅の場合は地下水位が地表面から3mより深ければ液状化による被害が起こりにくいと言われています。
「大きな地震の揺れ」
震度5以上の揺れが目安で、揺れの時間が長引くほど液状化の被害が大きくなります。揺れの時間の長さによっては、震度4でも液状化した例があるようです。
平常時の地盤は砂の粒子が周りの粒子に接触しその隙間を水が埋め強度を保っているのですが、以上の条件により地震が起こるとこのバランスが崩れ粒子の隙間の水を押し出す力が働きます。水圧のバランスが崩れると泥水のような状態になり結果建物が沈んでしまう。これが液状化の仕組みです。しかし液状化は事前に対策を取ることで防ぐことができます。建築物を建てる前にしっかりと地盤調査を行い、液状化し易い地盤であれば対策工事を行ない液状化の可能性を低くできます。万が一のときのためにも事前に地盤調査を行うことは重要な事なのです。